カキ

カキは、二枚貝の軟体動物で、数多くの利点があります。味が良く、必須ビタミンやミネラルが豊富に含まれており、また、優れたろ過摂食動物であるため、環境にも大変優しいのです。

世界中に12種以上の養殖魚種が存在しており、[1] 品種で言えば200以上にもなります。水産養殖で使用されている主要なカキの2種類は、お椀型のマガキ(Crassostrea)もしくはオハグロガキ(Saccostrea)、そして、平型のイタボガキ(Ostreacea)です。

主な養殖種には、以下のようなものがあります。

  • ヨーロッパヒラガキ(Ostrea edulis
  • 太平洋産あるいは日本産のマガキや岩ガキ(Crassostrea gigas、最近、Magallana gigasと改名)
  • シカメガキ(Crassostrea sikamea
  • アメリカガキ(Crassostrea virginicas
  • シドニー・ロック・オイスターおよびニュージーランド・ロック・オイスター(Saccostrea glomerata
  • オリンピア・オイスター(Ostrea lurida

2018年の世界全体でのカキ全種の生産量は600万トン。そのうち中国が全体の約85%を生産しています[2]。マガキが最も重要な種です。

カキは何世紀にもわたり商業的に生産されてきました。かつては貧しい人々の主食でしたが、今日ではむしろ、高価なご馳走となっています。古代ギリシャ人もローマ人もカキを養殖していました。現代のカキ養殖は日本で始まり、ここからマガキが 北米、オーストラリア、ヨーロッパ、ニュージーランドに紹介されました。

天然のマガキは通常、温帯地域に生息しており、北西太平洋や日本海が原産です。主に浅い汽水河口で見られますが、深さ40メートルぐらいまで生存することが可能で、[3] 海底の固い地盤や岩、他の貝殻、岸壁などにくっついて自生します。

マガキの養殖は、1920年代にアメリカ西部、1966年にはフランス、1960年代後半には英国へ導入されました。在来種のカキは、乱獲や病気の蔓延のため絶滅しかけていました。マガキは主に、枯渇した天然資源に替わるものとして導入されました。[4]

カキの養殖

カキは、順応性の高い生き物であるため養殖に適しており、また、ろ過摂食動物であることから、エサは天然の海洋プランクトンのみに頼っています。

養殖カキの一生は孵化場で始まります。この管理された環境で産卵と孵化を経て、十分な大きさになると、飼育タンクまたは養殖池に移され、海中に移る大きさになるまでそこで過ごします。

カキを育てる方法は、養殖業者によって様々に異なります。潮の満ち引きする干潟に低い棚にバッグを使用して養殖する業者もいれば、ロープに吊るした袋、トレイ、あるいは生け簀を使った延縄式を利用する業者や、そうした資機材を直接、海底に置く業者もいます。

カキ養殖の負荷

カキは、環境に良い影響を与える生き物であると一般的に考えられており、他の種に貴重な居住環境の生態系サービスを提供することで、周囲の海洋環境にプラスの影響を及ぼすことが分かっています。二枚貝養殖の環境フットプリントは、温室効果ガス排出量、 土地および淡水使用の観点では、多くの耕作作物よりも低く、[5] 食用の牛肉の1トンあたりの温室効果ガス排出量が3,340トンであるのに対し、二枚貝のタンパク質1トンあたりの排出量は、わずか11トンとなっています。[6]

ろ過摂食動物であるため、水中から藻類や余分な栄養分を除去しますが、数が多過ぎると、必要以上の栄養素が取り除かれる危険性もあります。

また、養殖カキが周辺地域で天然カキとして繁殖し始めると、多様性、群集構造、生態系プロセスが大幅に変化する心配もあります。[7]

ASC認証では、事業に関連する環境的および社会的悪影響を最小限に抑えつつ、確実に健康的な魚を生産するための厳格なガイドラインを養殖場が順守するよう求めています。

ASC認証の養殖場は、業界基準を向上させ、地域社会と協力して、労働者と環境に配慮できるように懸命に取り組む必要があります。

生物多様性

ASC認証のカキ養殖場は、重要な生物学的または生態学的機能を有する場所に施設を設置しないようにするなど、さまざまな方法で地域の生態系への影響を最小限に抑えなくてはなりません。養殖場は、所在地域の生態学的完全性に悪影響を及ぼさないよう、環境管理計画を実施しなくてはなりません。絶滅危惧種やその生息地に害を及ぼすことは許されません。

種の採集

天然種を使用するASC認証のカキ養殖場は、十分に規制された天然資源供給元から種を調達する必要があります。

水質汚染

ASC認証のカキ養殖場は、養殖場の底に溜まった有機堆積物を責任ある方法で管理する必要があります。ただ、飼料を投入する必要がないため、これは最小限で済みます。堆積物中の硫化物レベルを定期的に測定し、設定された制限内にとどめます。

魚病

ASC認証のカキ養殖場は、病気の発生を最小限に抑えるために厳しい要件を順守する必要があります。認証された養殖場では、有害な農薬の使用を認められていません。化学物質を使用する場合は、海洋環境に害を及ぼさないもののみが許可されます。養殖場はまた、魚病を予防するための作業により、絶滅危惧種に害を与えたり、重要な生息地に恒久的な影響を与えたりしないようにする必要があります。

社会的責任

国際労働機関(ILO)の中核的原則に基づき、いかなる形態の強制労働または児童労働も、ASC認証では固く禁じられています。ASC認証の養殖場はすべて、従業員が相当な賃金を得られる、労働時間に規制のある、安全で公平な労働環境になっています。認証された養殖業者は、地域社会と関わり、地域社会の利害関係者からの苦情に対処する必要があります。また、健康や安全に関する潜在的リスクや、資源へのアクセスの変更について、地域の人々に知らせなくてはなりません。

カキの調理法

カキの伝統的な食べ方は、生食です。剥いた殻からそのまま、身を食べます。タバスコソースや、エシャロットとビネガーを和えたドレッシングが添えられることがあります。もしくは、さっとレモン汁を絞るだけでもいいでしょう。大ぶりのカキは加熱調理に適しています。ガーリックバターのパン粉にまぶしてから焼いたり、あるいは、ステーキパイに加えるのにぴったりです。

[1] https://www.seafish.org/responsible-sourcing/aquaculture-farming-seafood/species-farmed-in-aquaculture/aquaculture-profiles/oysters/sources-quantities-and-cultivation-methods/

[2] https://www.seafish.org/responsible-sourcing/aquaculture-farming-seafood/species-farmed-in-aquaculture/aquaculture-profiles/oysters/

[3] https://link.springer.com/article/10.1007/s10531-016-1209-4#:~:text=Crassostrea%20gigas%20is%20native%20in,40%20m%20(FAO%202016a).

[4] https://thefishsite.com/articles/cultured-aquatic-species-pacific-cupped-oyster

[5] https://www.bbc.com/future/bespoke/follow-the-food/the-simple-shellfish-that-fights-climate-change.html

[6] https://www.researchgate.net/publication/263273903_Improving_Productivity_and_Environmental_Performance_of_Aquaculture

[7] https://link.springer.com/article/10.1007/s10531-016-1209-4

養殖の基本

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Confidental Infomation