パンガシウス

パンガシウスは非常に人気の高い白身魚で、通常は切り身で販売されており、料理レシピで簡単にタラやコダラといった魚種の代わりに使えます。バサ、スワイ、リバーコブラーという名でも販売されているこの魚は、手頃な価格なので、市場シェアが拡大しています。

パンガシウスは、パンガシウス科の成長の速い淡水ナマズです。長い胴体、小さな頭部、幅の広い口、ナマズ特有の口ヒゲが特徴になっています。稚魚は胴体に沿って黒い縞模様があり、成魚になるといっそう均一な灰色を帯びます。短期間で成長し、飼育を始めてわずか2か月で、体長が約10〜12センチ、重さは14〜15グラムに達します。

パンガシウスは主に淡水に生息していますが、摂氏30°Cであれば塩水でも生きることができます。

2018年の世界のパンガシウス生産量は約280万トンで、約36億米ドルに相当する量となりました。

パンガシウスの養殖

主に原産地であるベトナムのメ​​コンデルタで養殖されているPangasianodon hypophthalmusは、水産養殖で最も一般的なパンガシウス種です。最も消費量が多いのは欧州ですが、世界中130か国以上で食べられています。

パンガシウスは、商業的に水産養殖で生産されている魚の中でも、コイ、ティラピア、サーモンに次ぎ、4番目に重要な魚です。主要生産国はベトナムで、ほとんどの養殖場はメコンデルタやその周辺にあります。パンガシウス養殖産業で注目すべきその他の国は、同様の熱帯気候と水温に恵まれたタイ、ネパール、パキスタン、インド、バングラデシュ、ラオス、ミャンマー、インドネシア、カンボジアです。

パンガシウスは、飼料の量が比較的少なくて済むので、相対的に低価格の生産が可能で、環境にやさしい養殖ができます。また、この魚は成長も速く、市場で流通できる約1kgのサイズに6〜8か月で到達します。

メスは産卵期に最大8万個の卵を数回産むため、他の水産養殖魚種の4倍の生産量になります。湖や川の生け簀、あるいは天然の水源付近の養殖池で育てることが可能です。

パンガシウスの養殖による負荷

パンガシウスの養殖は、時として環境や社会への影響問題につながることもありますが、ASC認証のパンガシウスを購入する消費者であれば、手にした魚が厳格なガイドラインに従って飼育されていることを確信できます。このガイドラインは、養殖業者が悪影響を最小限に抑えながら、健康的な製品を生産することを保証するもので、以下のような内容となっています。

生物多様性

ASC認証のパンガシウス養殖場は、地域の生態系への悪影響を最小限に抑えるため、水産養殖が特別に承認された地域にのみ設置できます。天然魚や絶滅危惧魚種への影響を最小限に抑えるために、養殖場は養殖魚の逃亡を注意深く監視し、逃亡魚を回収できる捕獲装置を設置する必要があります。

飼料

ASCの認証を受けるパンガシウス養殖場は、飼料の原料としての天然魚について厳しい規制を遵守する必要があります。飼料用の魚粉製品に使用されるすべての天然魚は、供給元まで完全に追跡可能なものでなくてはなりません。

パンガシウスのエサに必要なのは少量の魚粉のみ、魚油は不要です。このため、必要とされるタンパク質が生産量より少なくて済み、今後の食料安全保障に貢献します。

浮遊性の飼料が開発された結果、養魚池の底でエサを与えないようにすることで、魚肉の質が向上し、より白い色が出せるようになりました。この結果、より多くの消費者に受け入れられるようになっています。

水質汚染

ASC認証のパンガシウス養殖場は、窒素、リン、酸素のレベルなど、さまざまな水質パラメータを測定し、設定された制限内に数値を抑える必要があります。厳しい要件に準拠した処理システムを使用して、廃棄物やスラッジを排出しなくてはなりません。養殖場では、このプロセスを強化するため、フィルターベッドのシステムを頻繁に使用しています。

魚病

パンガシウス養殖の増加に伴う主な懸念の1つに、野生個体群およびその他の魚種への病気の蔓延が挙げられます。 ASC認証のパンガシウス養殖場は、病気の発生を最小限に抑えるために厳しい要件を順守する必要があります。健康プランを専門的に計画および実施して、厳格なバイオセキュリティ管理を確保しなくてはなりません。病気予防目的でのワクチン投与は禁止されている他、人間の健康に甚大な影響を持つ抗生物質の使用は許可されておらず、さらに、魚の死亡率が注意深く監視される必要があります。

社会的責任

ASC認証のパンガシウス養殖業者は、社会的に責任のある方法で養殖場を運営する必要があります。つまり、労働者に適切な健康および安全に関するトレーニングを提供し、公正な支払いと待遇を提供するということです。いかなる形態であれ、児童労働または強制労働も固く禁じられており、移住労働者よりも地元の労働者を優先しなくてはなりません。

これはまた、地域社会の良き隣人となり、積極的に地域社会とコミュニケーションを図ることにもつながります。生産者は、問題解決のためにコミュニティと直接、関わる必要があります。

パンガシウス料理

パンガシウスはマイルドな風味と柔らかい食感を持つ、比較的低価格の水産物であるため、世界中でますます人気が高まり、消費されるようになっています。

最も人気のあるのが、骨なし皮なしの切り身です。

パンガシウスは、消費者の間で生鮮魚および冷凍魚としてよく知られており、レストランでもさまざまな料理に広く使用されています。大豆や生姜などを使うアジア系料理の風味と格段に相性が良く、また、シチューやカレーに使われても煮崩れの心配がありません。

養殖の基本

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