責任を持って養殖して食べるサケ
3月 28, 2023
養殖の基本
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- FAQ
- 水産養殖が重要な理由
- 責任ある水産養殖が必要な理由
責任を持って養殖して食べるサケ
サケは、商業的に世界で最も重要な養殖水産物の一つであり、世界最高水準の消費量を誇ります。タンパク質や健康的な脂肪酸を豊富に含み、調理しやすく、さまざまな料理に利用できるため、あらゆる食事に最適な選択肢となっています。
サケはサケ科の魚の総称です。遡河性であるため、天然の淡水で孵化し、そこから海に移動し、最後に産卵のために川に戻ってきます。サケ養殖では、制御・保護された状態でこのサイクルを再現しています。
世界にはさまざまな種類のサケがいます。食用のサケとして最も有名で、ASCによる認証数が最多のものが、タイセイヨウサケ(Salmo salar)です。 その他のASC認証の魚種としては、陸封型のアトランティック・サーモン(Salmo salar sebag)、ギンザケ(Oncorhynchus kisutch)、ベニザケ(Oncorhynchus nerka)などが挙げられます。
タイセイヨウサケは3番目にサイズの大きいサケで、体長は1メートルまで成長することが知られています。大西洋やそこに流れ込む大小の川で姿が見かけられます。平均体長は71cmから76cmで、平均体重は3.6kgから5.4kgです。
北太平洋に生息するベニザケは、体長は84cm、体重は2.3kgから7kgまで成長します。
その他、商業的に重要なサケの種類として、マスノスケ、チャム、カラフトマスが挙げられますが、これらの大半は天然で、水産養殖されたサケではありません。
サケの養殖
世界のサケ生産量は、2018年には360万トンまで勢いを増し、養殖サケが全体の74%近くを占めることになりました。
タイセイヨウサケが最も一般的に養殖されるサケの種類で、2018年には242万トンが生産されました。
最も中心的なサケ養殖国はノルウェーとチリで、世界の生産量の80%以上を占めています。スコットランド、カナダ、フェロー諸島も重要な生産国です。
サケ養殖の負荷
サケ養殖場のエサや糞便から排出される化学物質や過剰な栄養分が、海底の動植物の生態系を破壊することがあります。また、サケ養殖でも、病気やその治療に使用される薬、ウオジラミの蔓延に加えて、逃亡魚の問題も発生しており、これらが天然の個体群やその他の海洋生物に影響を与えています。こうした影響はすべて、注意深い監視と優れた管理制度により対処できるもので、すべてが「ASCサケ基準」の対象となっています。
サケ養殖場、利害関係者、公的機関と当初より協力を続けてきたASCは、2012年に「サケ基準」を策定しました。この基準では、認証を受けたサケ養殖場が、環境および社会への影響を最小限に抑える責任ある養殖を実践することを義務付けています。
ASC認証の養殖場は、よりクリーンな海底、よりクリーンな水、そして、より健康な魚を保証しなくてはなりません。また、魚種や天然個体群の多様性を維持し、厳格な飼料要件を順守する必要があります。飼料は、可能であれば認定済みの供給元から責任を持って調達した持続可能なものでなくてはなりません。また、飼料の原料として、天然魚の使用を最小限に抑える必要があります。2021年に始まった「ASC飼料基準」は、サケ養殖場が、その他のあらゆるASC認証養殖場と同様、責任を持って飼料を調達できるよう、そして、飼料生産者が持続可能な方法で原料を調達できるように開発されました。
水質
サケ養殖場とその周辺の水質および海底の状態は、有害な影響を防ぎ、魚が健康な状態で生きられるよう、厳密に監視されています。養殖業者は、酸素、リン、銅のレベルといった指標が制限内にとどまっているか監視する必要があります。
生物多様性
ASC認証のサケは、環境に調和した、地域の生態系への影響を最小限に抑える方法で養殖されなくてはなりません。たとえば、重要な生物学的または生態学的機能を有する地域に養殖場を設置してはなりません。また、環境管理計画を実施し、絶滅危惧種やその生息地に害が及ばないことを実証しなくてはなりません。
水質汚染
ASC認証のサケ養殖場は、養殖場の底に溜まった有機堆積物を責任ある方法で管理する必要があります。堆積物中の硫化物レベルを定期的に測定し、設定された制限内にとどめなくてはなりません。
社会的責任
サケ養殖業者は、養殖場を社会的に責任のある方法で運営する必要があります。つまり、労働者に適切な健康および安全に関するトレーニングを提供し、公正な支払いと待遇を提供するということです。これはまた、地域社会の良き隣人となり、積極的に地域社会とコミュニケーションを図ることにもつながります。養殖場は、生物多様性を監視および維持し、その地域のあらゆる他の養殖場と協力しなければなりません。逃亡魚や他の海洋生物への危害はすべて報告し、公に知らせる必要があります。
サケの調理法
サケは、オメガ3脂肪酸やその他、多くの有益な栄養素を豊富に含んでおり、健康的な食事に簡単に利用できます。また、素晴らしく万能な魚で、下ごしらえや調理も非常に簡単です。どんな料理も完璧においしく仕上がります。
生だったら寿司、燻製すればホットスモークサーモンやコールドスモークサーモン、焼いたり、煮たり、揚げたり、あるいは家でバーベキューする時に登場することも。サケの人気は国を問わず、その名を冠するレシピは何千とあります。次の食事はサケ料理にしませんか?