Farming and eating seabass responsibly
3月 28, 2023
養殖の基本
- ASCとは?
- ASCによる責任ある水産物摂取の支援のしくみ
- Farming and eating abalone responsibly
- Farming and eating flatfish responsibly
- Farming and eating grouper responsibly
- Farming and eating meagre responsibly
- Farming and eating mussels responsibly
- Farming and eating oysters responsibly
- Farming and eating pangasius responsibly
- Farming and eating scallops responsibly
- Farming and eating seabass responsibly
- Farming and eating seabream responsibly
- Farming and eating seaweed responsibly
- Farming and eating seriola responsibly
- Farming and eating shrimp responsibly
- Farming and eating trout responsibly
- 責任を持って養殖して食べるサケ
- ASCは信頼のおける基準ですか?
- ASCラベルの付いた水産物の購入で、状況はどう変わるのでしょう?
- ASC認証が改善を重ねていることは、どのように確認できますか?
- FAQ
- 水産養殖が重要な理由
- 責任ある水産養殖が必要な理由
責任を持って養殖して食べるスズキ
スズキはレストランのメニューや家庭料理で非常に人気のある魚です。スズキのほどよく甘い風味は、強い香りや味を持つ魚が苦手な人をも魅了し、脂肪含量の高い、こくのある肉厚な触感のおかげで、優れた料理品目となっています。
スズキ、タイ、オオニベはすべて硬骨魚の一種のスズキ目で、共通点が多いため、これら3魚種は同じASC基準の対象となっており、料理のレシピでも相互に代替品として利用されることがよくあります。
天然のスズキ
天然のスズキとしては、ヨーロピアンスズキ(Dicentrarchus labrax)が挙げられます。スズキは、一般には外洋に生息し、ヨーロッパの西部および南部の海岸、そして、アフリカ北部の海岸に生息しています。夏の間は、浅い沿岸海域や河口でも見ることができます。
スズキには天然で捕獲されるものや、商業的に養殖されているものがあり、地中海では、近年飼育される魚のうち最も重要なものとされています。[1]
スズキの養殖
スズキは、ヨーロッパで初めて商業的に養殖された魚の1種で、地中海で近年商業的に養殖されている魚としては、最も重要なものと見なされています。歴史的に見ると、1960年代後半に大量生産技術が開発されるまでは、天然で捕獲された稚魚を使用して、沿岸のラグーンや潮汐地域で飼育されていました。
最も重要な生産国はトルコとギリシャで、イタリア、スペイン、クロアチア、エジプトがその後に続いており、主に沿岸海域でネットペンを使って集約型で飼育されています。 [2]
昔ながらのスズキの養殖は、ラグーンで営まれる小規模なもので、若い天然魚を捕獲することを基本としていました。現在の養殖産業では、主に孵化場で飼育された稚魚が使われています。[3]
養殖スズキの世界生産量は、2003年の約6万トンから、2018年には24万トン、11億6千万ドルに値するまで着実に増加しました。トルコとギリシャを合わせると、世界生産量の約69%を占めています。[4]
スズキ養殖の負荷
ASC認証のスズキ養殖場では、地元の生態系への影響を最小限に抑えています。その方策としては、以下のようなものがあります。貴重な天然魚種や養殖場近隣の不安定な生息地を保護するために影響審査を開発および実施する。海底の生態学的特性を保護する。養殖場を保護価値の高い地域(HCVA)に配置しない。魚の逃亡を最小限に抑える。また、養殖場では、他の捕食生物や野生生物を死に至らしめるような行為は禁止されています。水中の音響抑止装置(ADD)の使用も同様です。
地中海地域で養殖されているスズキに代表されるように、養殖の行われる海域には数種類の海草種が生息しています。海草の生息する藻場は、食糧、隠れ場、産卵場などを数多くの生き物に提供する極めて重要な生態系で、養殖場が不適切に配置されたり管理されたりすると、こうした重要な生息地に影響を与えることになります。ASC認証のスズキ養殖場は、保護地域や藻場から500メートル以内に設置することはできません。また、生物多様性への影響評価を実施する必要があります。
飼料
ASC認証では、スズキ養殖場は、飼料の原料としての天然魚の使用を最小限に抑える厳しい規制を遵守する必要があります。さらに、この基準では、天然魚や他の原料について、責任を持って管理された、可能であれば認証された供給元までの完全なトレーサビリティ(追跡可能性)を確保することが要求されています。飼料中に遺伝子組み換え(GM )原料が使用されている可能性がある場合は、それを文書化する必要があります。
水質汚染
ASC認証のスズキ養殖場は、リンや溶存酸素レベルなどの数多くの水質パラメータを定期的に測定し、設定された制限内にとどめなくてはなりません。水中への銅の放出は、最小限に抑えて監視する必要があります。生物学的および非生物学的廃棄物が適切に処分されている、もしくは、適切に保管あるいはリサイクルされているという証拠を示さなくてはなりません。
魚病
ASC認証のスズキ養殖場は、病気の発生を最小限に抑えるために厳しい要件を順守する必要があります。バイオセキュリティ管理の手順を詳述した魚の健康管理計画を、獣医師の監督の下で作成し、養殖場に導入しなくてはなりません。
社会問題
ASC認証は、国際労働機関(ILO)の中核的原則に基づいた厳格な要件を課しており、これには児童労働およびあらゆる種類の強制労働の禁止が含まれています。ASC認証の養殖場はすべて、従業員が相当な賃金を得られる、労働時間に規制のある、安全で公平な労働環境になっています。ASC認証のスズキ養殖場は、地元コミュニティとも協力して苦情を解決でしなくてはなりません。
二酸化炭素排出
スズキは他の形態の動物性タンパク質と比較すると二酸化炭素排出量が比較的少ない生物ですが、すべてのASC養殖場は、魚の生産に使用されるエネルギーを監視し、飼料提供元に関する情報を要請し、温室効果ガスの排出量を記録することで、環境責任を担わなくてはなりません。
スズキを使った料理
スズキの体は鮮やかな銀色をしています。表皮のウロコは硬いので調理前に取り除き、骨や鋭いエラも取り除くと良いでしょう。生の魚肉は白濁していますが、調理すると明るい白色に変わります。[5]
スズキは養殖生産が増加するにつれて人気が高まり、手頃な価格で広く入手できるようになりました。 さまざまなレシピに適しており、生はもちろん、焼いたり、炒めたり、蒸したり、茹でたりして味わえます。タイのレシピ代替品としても簡単に使えます。スズキの癖のない風味は、幅広い味付けに良く馴染みます。
[1] https://en.wikipedia.org/wiki/European_bass
[2] https://www.seafish.org/responsible-sourcing/aquaculture-farming-seafood/species-farmed-in-aquaculture/aquaculture-profiles/european-sea-bass/
[3] https://www.seafish.org/responsible-sourcing/aquaculture-farming-seafood/species-farmed-in-aquaculture/aquaculture-profiles/european-sea-bass/sources-quantities-and-cultivation-methods/
[4] https://www.seafish.org/responsible-sourcing/aquaculture-farming-seafood/species-farmed-in-aquaculture/aquaculture-profiles/european-sea-bass/sources-quantities-and-cultivation-methods/