Farming and eating seaweed responsibly
3月 28, 2023
養殖の基本
- ASCとは?
- ASCによる責任ある水産物摂取の支援のしくみ
- Farming and eating abalone responsibly
- Farming and eating flatfish responsibly
- Farming and eating grouper responsibly
- Farming and eating meagre responsibly
- Farming and eating mussels responsibly
- Farming and eating oysters responsibly
- Farming and eating pangasius responsibly
- Farming and eating scallops responsibly
- Farming and eating seabass responsibly
- Farming and eating seabream responsibly
- Farming and eating seaweed responsibly
- Farming and eating seriola responsibly
- Farming and eating shrimp responsibly
- Farming and eating trout responsibly
- 責任を持って養殖して食べるサケ
- ASCは信頼のおける基準ですか?
- ASCラベルの付いた水産物の購入で、状況はどう変わるのでしょう?
- ASC認証が改善を重ねていることは、どのように確認できますか?
- FAQ
- 水産養殖が重要な理由
- 責任ある水産養殖が必要な理由
責任を持って養殖して食べる海藻類
海藻類の養殖は、海藻や藻類を育てて収穫することです。海藻の生産は、天然に育つ海藻を収穫するやり方と、採苗から収穫までの生産を完全に管理する養殖の方法があります。
原生生物に分類される海藻は、アジアで何世紀にも渡って養殖されてきました。近年、その人気が広まるにつれ、海藻養殖は世界中で急速に拡大しています。
国連食糧農業機関(FAO)によると、海藻の世界生産量は2000年の1,060万トンから、2018年には3,240万トンに増加し、養殖された海藻は天然の海藻を含む総生産量の97.1%を占めています。
海藻業界は60億米ドルの規模があり、日本における、海苔の年間生産額は20億米ドルで、世界でも最も価値のある養殖魚種の一つとなっています。
種の多様性
海藻類は実に多様で、世界中で1,800種類以上の緑藻類、2,000種類の褐藻類および7,200種類以上の紅藻類があり、微細藻類も20万から80万種あると推定されています。
最も一般的に養殖されている海藻の種類は、増粘剤などのカラギーナンとなるキリンサイ類(Eucheuma spp., Kappaphycus alvarexii)、寒天の原料となるオゴノリ類(Gracilaria spp.)、コンブ(Saccharina spp.)、ワカメ(Undaria pinnatifida)、海苔(Pyropia spp.)とヒジキ(Sargassum fusiforme)などがあります。
微細藻類ミドリムシとクロレラは、日本の陸上施設で商業規模の養殖が行われており、栄養食品とバイオ燃料の両方に活用されています
海藻類の養殖
最も重要な海藻生産国は、中国、インドネシア、フィリピンで、その他、韓国、日本、マレーシアおよびザンジバルで生産が盛んに行われています。
海藻類の養殖は、生産する種類や気候に応じて、さまざまな方法があります。多くの場合、胞子をロープや網に付かせ採苗し、いかだやロングライン技術を使用して海に吊るしたり、干潟などの浅瀬の支柱に設置します。多くの海藻類は、物体の表面にしっかりと固着する根のような構造を持っています。
海藻は光合成で太陽光をエネルギーに変換するため、肥料など与えなくても成長します。
海藻類の養殖の注目すべき効果は、海藻が海中の二酸化炭素を固定する機能で、それにより、大気中の二酸化炭素の減少と海洋酸性化を抑制することができます。もし9%の海面において海藻類の養殖ができるとすると、530億トンの二酸化炭素を毎年大気中から削減できると試算されています。また、海藻は海中の窒素を吸収することもできるため、より酸性化の抑制につながります。
海藻類の養殖の負荷
海藻類の養殖は、水質やその海域の一次および二次生産性、さらには天然漁業などの環境負荷を与えることがあります。
ASCとMSCが協働で策定した海藻基準は、これらの環境負荷を軽減し、さらに社会の持続可能性にも配慮した海藻類の養殖を奨励する仕組みです。
2017年に開始されたこの基準は、養殖と天然の海藻に適用され、養殖業者に周囲の自然環境への負荷を最小限にすること、責任ある方法で養殖し、従業員の適切な労働環境の確保、地域社会と協力し、良心的なコミュニティメンバーであることを求めています。
水質
海藻類の養殖事業は、周辺の自然環境への影響を最小限に抑えていることを示さなければなりません。例えば、ASC認証の海藻養殖業者は、マングローブを伐採してはいけません。マングローブ林の伐採は、自然のマングローブ林を破壊するだけでなく、水質を低下させ、海藻類の養殖に悪影響を及ぼします。
生物多様性
ASC認証の海藻養殖業者は、その活動が依存する地域の生態系の多様性を影響を与えずに、生産性を維持できるかどうかを審査されます。また、生物多様性に悪影響を及ぼす可能性のある廃棄物管理や汚染防止、エネルギー効率、病気や害虫の管理などにも細心の注意を払わなければなりません。
社会的責任
海藻事業も、社会的に責任ある方法で管理する必要があります。つまり、養殖業者が従業員を大切にし、地域社会と協力し、良心的なコミュニティメンバーであることが求められています。例えば、海藻養殖業者は、労働者の児童労働、強制労働、差別など劣悪な労働環境から保護され、健康と安全、公正で適切な賃金および労働条件に対する権利を支援しなければなりません。
海藻類の養殖の用途
海藻類は食品として消費されるだけでなく、健康補助食品や飲料、天然増粘剤、医薬品、漁や家畜の飼料、歯磨き粉や化粧品、バイオ燃料など、台所以外でも様々な用途に使われています。また、繊維や生分解性包装、飲物用ストローなどのプラスチック代替品の製造にも使用されるようになってきています。
海藻類の調理法と食べ方
海藻類は、ヨウ素やカルシウムを豊富に含み、天然の抗酸化剤やミネラル、アミノ酸などを含むことから、スーパーフードと呼ばれています。万能な料理素材で、 多くの健康効果があり、健康志向の高い世界の人々を魅了しています。