Farming and eating shrimp responsibly
3月 28, 2023
養殖の基本
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- 水産養殖が重要な理由
- 責任ある水産養殖が必要な理由
責任を持って養殖して食べるエビ
エビ
エビは多くの国の料理に欠かせない食材ですが、その理由は一目瞭然でしょう。多用途で美味しいエビは、さまざまなレシピに活躍します。(我々の用意したレシピのページでどうぞご確認を!) ですが、この甲殻類がどれぐらい生産され、どのような影響を持っているか、どの程度ご存知ですか?読み進めて確かめましょう。
ASC基準で認証されている、主要な商業用エビの魚種は5つあります。バナメイエビ(Litopenaeus vannamei)、ブラックタイガー(Penaeus monodon)、ヨシエビ(Metapenaeus ensis)、バナナエビ(Penaeus merguiensis)、ショウナンエビ(Fenneropenaeus indicus)です。
天然のエビ
バナメイエビの原産地は、メキシコからペルーにかけての太平洋東岸です。中央アメリカ海域の水深20メートル辺りが主な生息地です。成体は外洋で自生します。産卵後に孵化した稚エビは、海岸に移動し、汽水域ラグーン、河口、マングローブ地帯で繁殖します。
オーストラリア、東南アジア、南アジア、東アフリカの沖合に生息するブラックタイガーは、熱帯の海洋生息環境のみで成長、繁殖しますが、幼生の時期には沿岸の河口、ラグーン、マングローブ地域を生息場所とします。このエビは、日中は穴を掘り、夜になると食糧探しのために姿を現します。
ヨシエビは、インドネシア、マレーシア、ベトナム、タイ、中国、日本、北朝鮮、韓国、フィリピン、オーストラリア、パプアニューギニア沖のインド太平洋地域に広く分布しています。このエビは、汽水域を好み、 深水95メートルまで姿を見かけることができます。
バナナエビは、ペルシャ湾からタイ、香港、フィリピン、インドネシア、そして、ニューギニア、ニューカレドニア、オーストラリア北部までに分布しています。体長は25センチ、重さは75グラムにまで成長し、深水35~90メートルまで姿を見かけることができます。
ショウナンエビは、東アフリカ、インド、マレーシア、インドネシアから中国南部、オーストラリア北部に至るインド西太平洋に生息しています。成体のエビは、長さ22センチぐらいまで成長し、水深90メートルまで、海底に生息しています。幼生段階では、海洋で過ごしてから河口に移動します。
養殖エビ
2020年の全世界のエビの貿易額は年間280億米ドルと推定され、養殖は、この好収益市場で重要な役割を果たしています。世界で生産されるエビの55%を養殖エビが占め、バナメイエビとブラックタイガーが生産高のおよそ80%を占めています。
捕獲したエビを飼育する形で1973年に初めて繁殖に成功し、その後20年間で、エビ養殖は急速に隆盛しました。しかし2000年代半ば、病気が蔓延し、養殖エビに対する社会的信頼が低下したため、エビ養殖は成長が鈍化しました。
世界自然保護基金(WWF)は、持続可能なエビ養殖の実践への取り組みを1994年に開始し、2007年には複数の利害関係者から成るエビ管理検討会を設け、2014年に成果としてはエビ基準をASCに引き渡しました。これが世界中の生産基準の改善に役立っています。
すべてのASC認証のエビ養殖場は、病気の発生を最小限に抑え、健康計画を策定および実施するための厳しい要件を遵守する必要があります。予防的な薬の使用と抗生物質の使用は禁止されています。薬剤の使用は魚病の治療を目的とする場合に限られ、それも厳格な条件が課されます。
エビ養殖は、東南アジアの従来型の小規模事業から世界的な産業へと発展しました。今日、養殖エビの約75%はアジアで生産されています。中国とタイが顕著ですが、インドネシア、インド、ベトナム、ブラジル、エクアドル、バングラデシュでも養殖が進み、重要な生産国と見なされています。
主要な養殖実践方式として、粗放型、半集約型、集約型の3種類があり、それぞれの飼育密度は低、中、高となっています。いずれの方式でも、エビは池の中に自然と発生するプランクトンなどを捕食しますが、これに追加して飼料も与えます。
粗放型でのバナメイエビの養殖は、ラテンアメリカ諸国の潮汐地域で一般的に見られるもので、揚水や曝気の提供を最低限、あるいはまったくないで行われています。
集約型の養殖場は通常、非潮汐地域にあるため、池入れを行う前に完全に排水して乾燥させることができます。この養殖方式は、タイ、フィリピン、マレーシア、オーストラリアで一般的に実施されています。
エビ養殖の負荷
エビ養殖は、70年代から80年代にかけて急速に発展する中で、特に養殖場設置のためにマングローブ林を伐採したことから、環境に深刻な悪影響を及ぼしました。ASC基準では、かけがえのない生息環境に養殖場を設置しないことを確定するなどして、この問題に対処しています。
エビの飼料が環境に悪影響を及ぼさないようにするため、ASC認証では、天然魚を飼料に用いることを厳しく制限しています。また、天然魚、パーム油、および大豆などの認証された、あるいは責任を持って管理された供給元まで、トレーサビリティーを完全に確保することを養殖場に義務づけています。
水質汚染
ASC認証のエビ養殖場は、窒素、リン、酸素のレベルなど、さまざまな水質パラメータを定期的に測定し、これらを設定された制限内に抑える必要があります。排水はすべて処理する必要があり、スラッジの排出は許可されていません。
生物多様性
ASC認証のエビ養殖場は、失われたマングローブ林を部分的に修復し、かけがえのない生息環境には養殖場を設置しないようにすることで、隣接する生態系への影響を最小限に抑えます。エビ養殖は沿岸地域で行われることが多いため、沿岸海域の生態系に影響を与えないよう、養殖場と海岸線の間に恒久的な仕切りを設ける必要があります。
社会的責任
エビ養殖業者は、養殖場を社会的に責任のある方法で運営する必要があります。つまり、労働者に適切な健康および安全に関するトレーニングを提供し、公正な支払いと待遇を提供するということです。これはまた、地域社会の良き隣人となり、積極的に地域社会とコミュニケーションを図ることにもつながります。
ASC認証の養殖場はすべて、従業員が相当な賃金を得られる、労働時間に規制のある、安全で公平な労働環境になっています。
エビの調理法
エビは脂肪が少なく、タンパク質が豊富な消化しやすい食品です。数分で調理でき、食べやすい風味と食感で世界中の料理に広く使用されています。エビは殻付きでも、殻を剥いても調理でき、剥いた殻から風味のあるブイヨンを作ることもよくあります。