ASCの改善プログラムを深掘る
6月 27, 2025
者と広いつながりをもつ大手の養殖場かもしれません。しかし、大手の養殖場だけが生産者ではありません。実は世界には膨大な数の小規模養殖場があり、水産物養殖業を支えているのです。そしてこうした小規模養殖場のなかには、ASC認証を取得している養殖場に引けをとらないくらい、水産物養殖の環境への影響と責任ある養殖の必要性を自覚している生産者も多くいます。
すべての養殖場が変革に取り組める、とASCは信じています。だからこそASCは「ASCの改善プログラム(養殖業改善プロジェクト(AIP)」への参加者を募ることで小規模養殖場を支援しています。ぜひ最後まで目を通し、一体この制度が何なのか、参加者にとっての利点は何であるのか、そしてどのようにしてこの制度が責任をもった水産物養殖場がつくる地域社会に勢いをもたらすのかを知ってください。
ASCの改善プログラムは誰のため?
ASCの改善プログラムが支援するのは、まだASC認証を取得する資格がない、もしくは認証過程を始める準備ができていない小規模水産物養殖場です。
こうした小規模養殖場は、水産物を養殖する方法の改善に尽力しています。しかし、こうした養殖場では小売業者に責任ある水産養殖の実施を証明できる制度や管理体制、またはASC基準を満たすための金銭的、技術的能力がないことがほとんどです。
ASCの改善プログラムはどう役立つ?
ASCの改善プログラムに参加中の養殖場は、改善策を実行する責任を負いながら、あらゆる段階で援助を受けられます。養殖場が改善に取り組むための知見は社外の支援団体が枠組みを通して提供します。支援者の役割は多岐にわたりますが、ASCの改善プログラム関係者、及び、ASCのトレーニングを受けた、独立した検証者と実施者が必ず参加します。
ここで参加者の声を聞いてみましょう:「 AIPに参加する前は、土地の事務関係には注意を払わず、記録管理も実施していませんでした。しかし今では、すべての事務作業と記録管理を行っています。AIPで、多くのトレーニングを受けました。土壌や水を調べるための先進技術や設備の使い方を学び……多くのものを得ました。」
バングラデシュにあるブラックタイガーの養殖場で働くモハムドさんはこう話します。
この制度の非常に重要な点として、参加した養殖場はASC認証を取得した養殖場が満たす基準と全く同じ基準を満たしていることが挙げられます。つまり、基準の中にある養殖場が与える社会的かつ環境的な影響を認識し、そうした影響を確実に最小限にすることを実現しているのです。
ASCの改善プログラムは養殖場での業務に関する学びを共有するための地域社会を作り出すこともしています。ここでは、何世代も同じ方法で養殖業を行い、新しい考え方や手法に触れる機会のなかった小規模養殖場にとって、とても貴重なものになっています。
ASC改善プログラム参加者は全員ASC認証を取得できる?
ASCの改善プログラムに参加しているあいだ、養殖場は完全なASC認証を取得することを目指して努力することができますし、もし認証を取得できれば自身が養殖した水産物にASCラベルをつけることができるようになります。例えば2023年後半、喜ばしいことにインドネシアのエビ養殖場であるコーヨー・セゴロ・エンダ(KSE)養殖場はASCの改善プログラムへ参加した後にASC認証を取得した初めての養殖場になりました。
しかしながら、ASC認証を取得することが参加者全員にとっての最終目標ではありません。ASC認証を取得する代わりに、ASCの改善プログラムの方法を取り入れて事業の効率や成果を向上させようとする養殖場もあります。つまり、ASCの改善プログラム開始時に特定された改善点すべてに、より適正な手法が取り入られるということです。
目的がASC認証を取得する場合でもそうでない場合でも、養殖場がASCの改善プログラムを修了する時点で、責任ある養殖を実行しながら生産量を最大化する術をさらに会得できるのです。さらに養殖場は市場への参入機会を増やすことも可能ですし、そうなれば、世界中の水産物好きの皆様が寄せる、責任をもって養殖された水産物の需要を満たすことにもつながります。
「私たちは稚エビの質についても理解していなかったので、地元で採取した稚エビを池入れしていました。その結果、池の水質が低下し、生産量が少なくなっていたのです。2023年に特定病原体不在(SPF)の稚エビを使用し始めてから、生産量が20~30%増加しました。」
バングラデシュにあるブラックタイガーの養殖場で働くモハムドさんはこう話します。
ASCの改善プログラムとASCのミッションの繋がりは?
ASCは、高まる水産物需要の充足を責任ある持続可能な方法によって支援するという目的のもと、水産養殖業に厳しい基準を設けています。
小さな一歩がたくさん重なることによってASC認証を取得した養殖場のみならず、業界全体に組織的変革が生まれると、私たちは確信します。だからこそ、たとえ最終目的がASC認証を取得することではなくとも、小規模養殖場が業務を向上できる方法を策定したのです。
ASC認証養殖場の地域社会における知識の共有は水産業者にとって信じられないほど有益で生産的なものになっています。ASCの改善プログラムへ参加した養殖場が勧めることにより他の小規模養殖場が取り組みに参加し、責任ある水産物の養殖を始めることは大変喜ばしいことです。
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