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養殖魚?天然魚?選び方は?

8月 17, 2023

自分と家族が食べる物について最良の選択をしたいと思うとき、最良の選択とはどのようなものでしょうか?また、購入を通じて環境を保護し、持続可能性を促進したいとなると、選択はさらに難しくなるかもしれません。

地球にとって正しい選択が、私たちにとって最も健康的な選択なのでしょうか?

では、水産物について考えてみましょう。養殖された水産物と天然の水産物を比べると、頻繁に懸念されることが二つあります:

  • 栄養価の違い
  • 環境への影響。

まず、栄養価について

一般的に、水産物を食べることは私たちの健康にとって素晴らしい選択であることが知られています。

水産物は、高タンパク質、ビタミンD、マグネシウム、カリウム、鉄などのミネラルを豊富に含んでいます。サケ、サバ、ニシンなどの脂ののった魚は、オメガ3脂肪酸の優れた供給元でもあります。オメガ3脂肪酸は人の成長に不可欠な栄養素で、心臓の健康をサポートし、体内の炎症を抑えます。

水産物にはオメガ6脂肪酸も含まれています。これも必須脂肪酸のひとつで、コレステロールを減らし、血糖値のコントロールを助けると考えられています。オメガ3脂肪酸と同様に、人の体内では生成できないため、食事から摂取する必要があります。

天然魚と養殖魚では、これらの栄養素のレベルが異なります。たとえば、サケのタンパク質を見てみると、養殖のサケ(113 g中23 g)の方が天然のサケ(113 g中22 g)よりもわずかに多いです。ミネラルはその逆で、天然のサケの方がカルシウム(天然 39 mg、養殖10 mg)も鉄分(天然1 mg、養殖0.3 mg)も多いです。

オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸はどちらのサケにも含まれています。ただし、それぞれの含有量はサケの産地によって異なります。パデュー大学の研究では、全米の消費者が入手できる魚を分析した結果、養殖魚はその餌に含まれる原料のために、天然魚よりも脂肪含有量が概して高いことが判明しました。養殖魚は全体的にオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸をより多く含んでいる、と研究者は結論づけています。

汚染物質は心配すべき?

汚染物質とは、水中に存在するはずではない物すべてです。農薬や水銀、その他の金属も含まれます。飼育水に含まれる汚染物質のレベルは、さまざまな要因によって大きく異なります。

魚がこれらの汚染物質にさらされると、それを食べた人に汚染物質が伝播する可能性があります。水中で長い時間を過ごす(つまり長生きする)魚ほど、汚染物質を取り込む可能性が高くなります。これは特に大型魚に言えることです。大型魚は、すでに汚染されている可能性のある小型魚を食べるからです。

食用として飼育される養殖魚は、一般的に、寿命が短くなります。また、養殖場から餌を与えられているため、小さな魚を食べることはありません。そのため、汚染物質にさらされる機会が少なく、食卓に並んだときの人間へのリスクを抑えることができるのです。

天然魚と養殖魚のカーボンフットプリントの比較は?

カーボンフットプリントは、生産された食品1 kgあたりに排出される二酸化炭素換算(CO2e)の温室効果ガスの総量として計算されます。

食品にはもれなくカーボンフットプリントが付きますが、その値は栽培や飼育方法、餌、収穫方法、消費者に届くまでに必要な包装や輸送方法によって異なります。また、家庭内での食品の保管状況や食品廃棄の状況も要因になります。

養殖サケのCO2e排出量は、出荷時(輸送前)で可食部1 kgあたり5.1 kgと推定されます。天然サケは1 kgあたり4.9 kgのCO2eを排出します。比較として、1 kgの牛かたまり肉は、牛肉の供給元(乳牛か肉牛か)に応じて34~60 kgのCO2eを発生させます。つまり、牛の赤身肉の代わりに、養殖か天然かにかかわらず水産物を食べることは、二酸化炭素の排出量を削らす対策として、すでに積極的な選択をしていることになるのです。

養殖サケの二酸化炭素排出量の大部分は、大豆やその他の植物性飼料原料の生産における森林伐採に由来していることをご存じでしょうか。ASC飼料基準はこの問題に対処し、飼料原料の調達に厳格な要件を課すことで、サプライチェーンの初期段階における森林破壊の削減に貢献しています。

魚の養殖は天然漁業と比べて社会的影響がある?

漁業は広大かつ多様であるため、天然漁業と水産養殖業の社会的影響を比較することは困難です。わかっているのは、規制のない産業は劣悪な労働条件や人権侵害の温床となり得るということ、そしてそれが漁業業界において高まりつつある懸念だということです。

水産養殖業においても、業界の急速な成長により、管理の行き届かない養殖場が増加しています。水産養殖管理協議会(ASC)が設立された理由は、水産養殖業がしっかりと責任ある持続可能な方法で運営されるようにするためです。私たちの目標は、水産養殖業が社会的・環境的影響を最小限に抑えながら、手頃な価格のタンパク質の選択肢に関する需要の高まりに応えられるようにすることです。

水産物にASCラベルが貼られているのは、労働者の待遇を含め、最も厳格な基準を満たしたASC認証の養殖場からの製品であることをを明示するためです。この認証は、安全な労働条件、公正な賃金、妥当な労働時間、児童労働の廃止を義務付けています。

また、ASC認証の養殖場は定期的に地元コミュニティと話し合い、地元への影響を最小限に抑えるよう配慮します。

ASCラベルの付いた水産物は、細心の注意を払って育てられています。

水産物の基準がどのように設定されているか、詳しくはこちらをご覧ください。

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