検索

Go directly to content

サーモン養殖に関するこれら5つの誤解を聞いたことがありますか?その背景にある真実を解明しましょう…

6月 27, 2023

サーモンの養殖については、環境に悪いという批判がたくさんあります。ASCでは、どのタイプの養殖もまったく影響がないといった触れ込みはしていません。いかなる食糧生産でも影響はあるものであり、こうした影響があるからこそ、厳格な当基準では、責任ある養殖に向けて多くの要件の基礎をつくり上げているのです。

ただ、当組織は証拠を基本とする組織でもあるため、活動のすべては科学によって裏付けられなくてはなりません。 よって、サーモン養殖に対する批判が少々怪しく思われるときには、事実関係を明確にすべきだと考えています。 ここで、昨今、サーモン養殖について見られる誤解のいくつかを挙げましょう。

誤解:1キロのサーモンを生産するには、5キロの天然魚が必要である 

これは、サーモン養殖業が始まって以来ほとんどいつも広く語られてきた一説で、信じがたいほど時代遅れなものであるにもかかわらず、いまだに浮上し続けています。 海産原料機関(IFFO)によると、平均では1キロ未満 の天然魚がエサとして必要とされます。 魚粉あるいは魚油の約3分の1は、副産物(つまり、使わない場合は捨てられるはずの魚肉の小片)でまかなわれていることも分かっています。 全体として、飼料の大部分はほとんどが陸上ベースの他の供給元のものです。

この誤解は、大豆のように環境および社会的な影響を及ぼす他の飼料原料から焦点を逸らすもので、特に役に立つものではありません。そのため、ASC飼料基準では、原料を海または陸のいずれから得る場合でも、すべての原料を責任を持って調達することを要件としています。

魚粉についての当てにならない見解は、飼料の他原料が与える影響から私たちの注意を逸らすものです。

誤解: 養殖場ではサーモンにピンクの色素を注入している 

天然のサーモンがピンク色なのは、口にするエサに偶然、この色素が含まれているためです。サーモン養殖場で使用される飼料にも同様の色素を加えることがあります。食糧への着色料の使用は広く行われており、多くの食品で議論の対象になっていません。 養殖サーモンは、色素を注入されるからではなく、天然のサーモンと同様、エサを食べることでピンク色になります。ASC認証は、飼料への添加物が魚や環境に害を及ぼさないことを保証するものです。

誤解: 天然のサーモンに比べて、養殖されたサーモンを食べるのは健康的ではない 

食品の栄養上の利点に関するこうした一般化には、注意する必要があります。 さまざまな種の多様な養殖サーモンおよび天然サーモン製品に関してカナダで行われた 最近の研究 では、すべてのサーモンが、オメガ-3脂肪酸EPAおよびDHAで、政府が指定する1日あたりの最低推奨摂取量を超えていることがわかりました。タンパク質や脂肪といった他の多くの特性については違いが見られ、天然サーモンと養殖サーモンの間というより、場合によっては、異なる種の間で大きな違いが見られました。この研究では、「養殖のタイセイヨウサーモンは、特に毎日の食事でサーモンを定期的に口にする消費者にとって、提供される栄養素密度という点で、最も簡便で手頃な選択肢となるだろう」と締めくくられています。

…健康的であるだけでなく、味わいも格別

誤解: 養殖のサーモンは抗生物質で満たされている 

抗生物質の悪用や乱用は根本的に重要な問題で、対処が必要です。幸いにも、(すべてのASC認証養殖場を含む)多くのサーモン養殖場は、病気の予防または成長促進のために、あるいは、その他の不必要な理由での抗生物質の使用は行っていません。代わりに、魚が病気になる前に魚の健康を維持することで、予防的な健康管理を行っています。

ノルウェーのサーモン業界を見れば、予防措置から得られる結果は明らかです。ある学術論文 では、ワクチンとその他の予防措置を一斉に使用する取り組みにより、2011年までに、ノルウェー業界のバイオマスでは、わずか0.03%のみに抗生物質による処理が行われたことが明らかにされました。それ以降も改善が続けられ、2020年には、抗生物質の使用がこれまでで最低量となったことが、つい最近、発表 されました。

誤解: サーモンは、環境に配慮していない大企業だけが生産している 

すべてのサーモン生産者について語ることはできませんが、ASC認証の取得を目指した業者が環境に配慮しているのは事実です。環境的および社会的責任に配慮せずに、ASCサーモン基準の数日間にわたる厳格な監査に合格することはできません。サーモン業界は多様であり、事実、非常に大規模な企業もあれば小規模な企業も参入しています。 ASCでは、これらの企業の規模ではなく、養殖場をどう管理しているかという点に関心を持っています。ただ、大規模生産者は、責任ある養殖の利点を理解してもらえれば、大きな変化を与えることができます。新しいテクノロジーへの投資により、業界全体および環境に益することができるため、彼らとの協力は重要だと考えています。

それでもサーモン養殖業者が自身の環境や地域社会を気にかけていないと感じる方には、ロージー・カーティスをご紹介します。彼女は自分の養殖場のサーモンの世話に情熱を注ぐとともに、スコットランド西部の地元の農村コミュニティに恩返しをすることにも情熱を注いでいます。彼女は消防士であり、沿岸警備隊の隊員でもあります。

Confidental Infomation