ASC飼料基準がアジアに進出 ― タイ・ユニオンが認証を取得
3月 27, 2024
水産養殖管理協議会(ASC)は、タイ・ユニオンがタイのマハチャイ工場でASC飼料基準の認証を取得したことを受け、当社の先駆的な飼料基準がさらに普及を遂げたことをご報告いたします。
タイ・ユニオンは、ASC認証を取得したサステナビリティーの課題に先靴的に取り組む飼料会社の仲間入りを果たしました。タイのバンコクの西に位置するサムットサーコーン県にあるタイ・ユニオンのマハチャイ工場でアジア初のASC飼料基準認証となりました。この飼料工場では、シーバス、タイ、オオニベ、ティラピア、エビ用の飼料を生産しています。
タイ・ユニオンは、数カ月にわたる厳しい審査段階を通過しました。審査の結果、同社の工程と実績がASC飼料基準の厳格な環境的及び社会的要件を満たしていることが立証されました。独立認証機関として審査を行ったのはコントロール・ユニオン社です。
ASCのクリス・ニネスCEOは、次のように述べました。「タイ・ユニオンがASCの飼料認証に参加されたことを嬉しく思います。タイ・ユニオンがアジア初の飼料工場として認証されたことは、ASCの飼料基準にとって、またとない画期的な進歩を示す出来事です。ASCの飼料基準にとって、より環境的及び社会的に責任のある飼料が世界的に普及しつつあることを示しています。」
「タイ・ユニオンはまた、エビ用飼料を生産する初の認証工場でもあります。エビ養殖の世界的な主要拠点であるアジアにおいて、ASC基準に適合した飼料を入手できるようにすることで、より多くのエビ養殖業者にとって最適な飼料が手に入りやすくなることは、責任あるエビ養殖を可能にするための大きな前進です。」
タイ・ユニオン・フィードミル社のピーラザク・ブーンメショットCEOは、次のように語りました。「アジア初のASC飼料認証を取得したことは、当社の持続可能性への深いコミットメントを強調するものです。これは、タイ・ユニオン・グループの世界的な持続可能性戦略「SeaChange® 2030」の一環として、責任ある飼料の供給を増やすための重要な一歩です。この認証はまた、より持続可能で責任ある未来に向けて業界をリードしていくという当社の献身を強化するものでもあります。」
ASC認証を取得した養殖場は、2025年10月までに、ASC飼料基準に基づいて生産された適合飼料の調達に切り替えなければなりません。
タイ・ユニオンは、 まだ認証プロセスを開始していない他の飼料工場は、ASC飼料基準の認証をできるだけ早く取得することを目指していただければと考えています。
ヴィミフォス社とスクレッティング社の認証は、今年の初めにラテンアメリカ(メキシコとチリ)で取得されました。
今回の飼料認証の取得は、ASCとタイ・ユニオンのパートナーシップとの取り組みの一環です。2023年、ASCとタイ・ユニオンは、エビの養殖改善プロジェクトで協力すことを発表しました。 タイ・ユニオンは、2026年までに総量15,700トンにのぼるエビの養殖改善プロジェクト(AIP)を実施する、ASCの最初のパートナーでもあります。
ASCの飼料基準について
ASCの飼料基準は、養殖魚の飼料生産と供給という、養殖が環境と社会に与える潜在的に最も深刻な影響のひとつに取り組んでいます。ASC飼料基準は、今後展開される欧州連合の規制と足並みを揃えた、全ての主要成分及び原料のサプライチェーン全体に渡って生じる影響を考慮した最初の規格です。これには、大豆、パーム油、海洋成分に加えて、小麦、トウモロコシ、キャノーラなどの主要な農作物が全て含まれます。
ASCの飼料基準では、飼料工場が厳しい環境及び社会的要件を満たすこと、社会的責任のあるサプライヤーから原料を調達すること、そして、環境に配慮した原料を利用することが求められています。飼料基準は2021年6月15日に発足し、2023年1月14日に発効しました。
ASC認証を受けた養殖場は、2025年10月までに、認証を取得した飼料工場からの供給に変更しなければなりません。飼料供給元の変更は、生産者がASC基準を満たし続け、認証を維持するために必要不可欠です。