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ASC がシーフード・エキスポ・アジアにて持続可能な水産物消費を促進

9月 29, 2024

ASC(水産養殖管理協議会)は、アジア圏における持続可能な水産物消費を促すべく、9月4−6日にシンガポールで開催された2024年度シーフード・エキスポ・アジアで発表を行いました。台湾環境動物協会とのパネルディスカッションでは、ASCのスタッフがアジアにおける持続可能な水産物の消費促進における課題と機会について議論し、責任ある水産物養殖への移行においてASCがどのようにアジアの養殖業者を支援できるかを強調しました。

ASCが最近実行した消費者調査では、日本国内での消費者のうち、買い物の際に持続可能な水産物を重要視している割合はわずか29%であることが示されました。韓国の消費者ではこの割合は更に低く、25%となりました。世界の他の地域と比較しても、アジア圏は水産物を購入する際に持続可能性を考慮する割合が最も低く、日本が48%で最低となっています。

ASCジャパンのゼネラル・マネジャーである山本光治は、次のように述べました。「消費者意識の低いアジアにおいて、責任のある水産物の消費を促すことは現時点で大きな課題となっていますが、文化的なニュアンスやトレンドを理解することで責任をもって養殖された水産物のアジア圏における消費を促していけると考えます。

これを効果的に進めるためには、まずは私たちが消費と生産における文化や流行の違いを把握する必要があるでしょう。」

画像:シーフード・エキスポ・アジアにて持続可能な水産物消費の課題と機会について語る、ASCジャパンのゼネラル・マネジャー、山本光治(右)

アジアの水産養殖を根本から見直す

「世界漁業・水産養殖白書」(SOFIA)2024年版によると、アジアは世界の漁業と養殖業の生産量の1億6,710万トン(世界の総生産量の75%)を占め、養殖水産物の生産高において世界を牽引しています。アジア圏における生産量がこのように膨大なため、アジアの水産業界が責任ある養殖慣行に取り組むことは極めて重要と言えます。

そのためASCの改善プログラムは、ASC認証を未取得、あるいは準備が整っていないながら、養殖業改善プロジェクト(AIP)を通じて養殖慣行の改善に取り組む意気込みのある養殖場を支援します。現時点で、AIPの成功例は2件、進行中は9件です。アジア圏の養殖場の間で養殖業改善プログラムへの関心が高まっており、現在15件のAIP申請が予定されています。

ASCのAIPマネジャーであるプラ・ドゥアンチャイは次のように述べています。「アジアでは特に融資や支援を受けられない小規模養殖場が多いため、彼らの改善を支援することはASCにとって重要な焦点です。」

関心が高まる魚の福祉

新しいASC養殖場基準も、責任ある養殖業への変革にとって肝要です。健康と福祉に関するASC基準マネジャーであるマリア・フィリパ・カスタンヘイラは、同パネルディスカッションに参加し、ASCの新しい養殖場基準がいかに動物の健康と福祉の管理に総合的なアプローチをもたらすかを説明しました。

マリア・フィリパはこう述べています。「魚の福祉は、世界中の水産物養殖業界にとって、特にアジア圏の主要生産国において、ますます重要なテーマになってきています。ASCの新しい養殖場基準では魚の福祉を最重要視しており、養殖場での日常業務、取り扱い、魚の締め方に関する要求事項を含む、動物の健康と福祉に特化した原則を導入しています。

水産養殖の世界だけでなく、持続可能な漁業においても、魚の福祉が水産会社や利害関係者の最大の関心事であることを確認できたことは心強いことです。」

画像:展示場でASC認証ラベルを広報資料に表示する関連企業

責任ある水産物生産への機運を醸成

ASCのシーフード・エキスポ・アジアへの出展は今年で2年目を数え、41カ国から362社以上の企業が出展しました。

「今回はとても有意義な展示会でした。ASC認証を取得した多くの関連企業がこのエキスポでASCパートナーボードを展示している姿を見ることができ、嬉しく思います。アジアにおける持続可能な水産物の生産と消費の機運を高め、来年のシーフード・エキスポ・アジアで再びパートナー企業の方々と情報交換できることを楽しみにしています」と山本は締めくくりました。

 

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