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「水産物の世界標準を構築」ASCが年次報告書(2022)を発表、インパクトを追跡

9月 28, 2023

水産養殖管理協議会(ASC)は、「水産物の世界標準を構築と題した2022年度版の年次報告書(英語版)を発表し、 環境持続可能性と社会的責任に向けた水産養殖の変革という使命の一環として、2022年に達成された測定可能な影響について徹底的かつ簡単に分析できるようにしました。(英語版)

ASCのCEOであるクリス・ニネスは、以下の様に述べています。「人口増加にともなう食糧需要に対応するため、水産養殖業が従来より更に積極的な役割を果たす必要性が、ますます認識されるようになってきています。ASCの使命を支える戦略を磨き続けるための、堅実な活動がASC組織内で行われており、私はそれを誇りに思っています。 そして私たちは、産業セクターとして、強い連携と明確な行動計画を通じてのみ、前向きなインパクトを与え続けることができることを知っています。」

2022年はASCにとって成長の年であり、市場全体におけるASCラベルの認知度の向上、ASC認証養殖場数の増加によるASC制度の普及拡大、主要なプログラムと保証の改善、そして次の10年に向けてASCを前進させるための新役員体制がもたらされました。

ASCのインパクト責任者であるジル・スワジーは、「水産養殖を変革するという使命を果たすためには、ASCの活動のインパクトを注意深く追跡し、公に共有することが極めて重要です」と語っています。

ハイライト:ASCが2022年に及ぼしたインパクト

報告書では、ASCの2022年における環境および社会的影響と改善 が、図解入りで丁寧に説明されています。下記はその数例です。

  • ASCの認証制度は、生態系に恩恵をもたらし、影響を緩和し続けました。生物多様性の保全と保護、飼料やその他の資源の責任ある利用の強化、海底生息地や魚の健康状態、水質への影響の低減を目的とした養殖場での改善が1,400項目以上実施されました。
  • ASC制度は養殖場労働者を援助しました。700項目を超える養殖場での改善により、養殖場労働者のウェルビーイング、公正で透明性の高い労働条件、労働者の健康と安全が向上しました。
  • ASC認証の養殖場の数は引き続き増加しており、ASC認証を取得した養殖場の数は2021年から22%増加する結果となりました。1,200以上の養殖場を対象に独立審査が実施され、実績が確認されました。
  • ASCラベル付き水産物の消費者への供給量は世界で増加し続け、ASCラベル付き水産物は2021年対比で14%増加しました。
  • ASC認証は、2022年、市場変容の一旦を担いました。たとえば、英国の主要小売業者の参画が、フランス市場での需要と相まって、スコットランドにおいてASC認証のサケ養殖場は144%成長しました。これにより、ASC認証のサケは50億食分以上、世界市場に供給されることになりました。
  • サプライチェーンのが強化されました。新しいASCのCoCモジュールがリリースされ、より高いレベルのサプライチェーン保証が提供されました。また、新しいトレーサビリティ(追跡可能性)ツールが試験的に導入され、サプライチェーン・リスクに対する「審査と対処」のアプローチが進展しました。
  • ASCラベルの認知度が増幅しました。推定7億2700万人の人々が、地元のスーパーマーケット、看板、新聞や雑誌、テレビやラジオ、ソーシャルメディア、ライブイベントなどでASCのマーケティングキャンペーンを見聞きしました。

2022年にASC認証を取得した水産物養殖場で行われた改善は、生態系、養殖労働者、そして養殖魚種の健康に恩恵をもたらすことを意味します。

この報告書はまた、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に対するASCの貢献を追跡しており、責任ある水産養殖が17のSDGsとそれに関連する169のターゲットにどのように貢献できるかを測定する2022年のASCの調査結果に基づいています。これらの調査結果によると、ASCは17のSDGsの各ターゲットの半分に対処しており、そのうちの80%以上は「よく」または「非常によく」 と考えられています。

今年で2年目となるこの報告書は、ASCの年次公約の一環として、事業の進捗状況を透明性をもって実証するものです。

ASCの2022年年次報告書をぜひお読みください。

水産物の世界標準を構築」ASC年次報告書2022 (日本語版)PDF版をダウンロードするには、こちらのリンクをクリックしてください。

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