ヨーロッパの水産養殖業の知名度向上に向けた提携
5月 6, 2022
水産養殖管理協議会(ASC)と欧州水産養殖生産者連盟Federation of European Aquaculture Producers(FEAP)は、ヨーロッパの養殖業界を改善し、政策により反映されるよう、協力してしています。
この2つの組織は、バルセロナで開催されたシーフード・エキスポ・グローバルのASCのブース(ホール4 4A401)で、4月27日水曜日午後4時に覚書に署名を行いました。ここで、増大する食糧需要への解決策を提供する、責任ある養殖業という共通のビジョンに向けて、協力することを約束しました。
この提携は、持続可能な食糧システムの重要性が、ヨーロッパでもその他の場所と同様に認められるようになっていることから実現しました。こうした問題はEUでも検討されていますが、ASCとFEAPの双方は、この解決に役立つ貴重な知識および経験を長年にわたって蓄積してきました。FEAPのメンバーは、養殖場の慣行改善においてASCとより一層の協力体制を構築し恒常的に経済および環境的利益がもたらされることになります。
ASC の最高経営責任者(CEO)、クリス・ニネスは次のように述べています。「サケ、甲殻類、スズキといった地場産の水産物は、大陸全体の経済にとって不可欠で、食糧の安全保障を提供してくれます。より効果的な、より存在感のある産業は、すべてのヨーロッパ人にとって好ましいものです。」
「当初からASCプログラムでは、多様な利害関係者間の提携を大切にしてきたので、業界全体での変化を推進するのに、これがどれほど効果的かを理解しています。」
FEAPのララ・バラジ・ユラノ会長は、次のように述べています。「ヨーロッパの水産養殖は、環境と社会の持続可能性の最前線に立っていますが、市場では小さな役割しか果たしていません。欧州連合の法的枠組みには、持続可能な水産養殖のための明確で健全な技術的スクリーニング基準が必要です。養殖業者としての私たちの実務経験と、ASCの責任ある養殖基準に関する専門知識を組み合わせることで、価値ある結果を確実に達成できるでしょう。
この提携は、クリス・ニネスとFEAP事務局長のハビエ・オヘダが共同議長を務める運営グループにより推進されており、このグループが機会を特定し、組織の共通の目的にあわせてプロジェクトを管理していきます。
EUによると、水産養殖業には、大陸全体で約7万人が従事し、そのほとんどが、沿岸および農村地域の中小企業または零細企業に雇用されています。
ASCについて
水産養殖管理協議会(ASC)は、養殖水産物の世界をリードする認証組織です。責任ある生産のために設定された基準はすべて、業界、学界、NGO、小売業を代表する専門家からなる複数の利害関係者グループによって開発されました。厳格な数日間の監査を経て、ASCの要件に合格した養殖場から生産された水産物のみが、ASCロゴを使用することで、責任を持って生産されたことを消費者に示すことができます。
FEAPについて
欧州養殖生産者連盟(FEAP)は、欧州の水産養殖業者を代表する組織で、ブリュッセルを拠点としています。FEAPは、EUと非EU双方23か国の24の養殖業協会から構成されています。FEAP所属団体の年間総生産量は250万トンを超えており、栄養価の高い、安全な、手頃な価格の、環境面で持続可能な魚を生産しています。