ASCが地球と人々に及ぼす影響力の高まりを新しい年次報告書で実証
10月 17, 2024
「ASC(水産養殖管理協議会)年次報告書:2023年の総括」では、2023年にASC制度がもたらした幅広い環境および社会的影響を説明しています。
この報告書では、生産から市場に至る、ASCが現地での取り組みを要約しています。この年次報告書には、正確な事実と数字を数多く盛り込み、この年もASCが力強く成長し、影響力が増した現状を紹介するケーススタディを掲載しています。ASC認証を取得した水産養殖場で行われた改善は、生態系、養殖場従事者、養殖魚種の健康に恩恵をもたらしました。
ASCのクリス・ニネスCEOは、次のように述べました。「2023年は、ASC飼料基準、ASCの改善制度、ASCのCoCモジュールが発足するという、ASCにとって画期的な一年でした。」
「私たちの取り組みがより広義の水産養殖業において変革や影響力を推進しているだけでなく、変化を起こすことが必ずしも容易ではない小規模養殖場や、改善の取り組みを始めたばかりの養殖場に改善や学習の機会を提供していることを、私は誇りに思っています.。」
「国際連合食糧農業機関(FAO)によると、2022年には養殖業が初めて天然魚業を上回りました。水産養殖の持続的成長は、更なる改善に邁進し、また、責任を意識した実務に報いる必要性を強調しています。」
さらにクリスは、「今こそ、水産養殖場の変革の推進において、ますます積極的な役割を果たす時です。その実現にあたっては、この最新報告書に反映されるように測定可能で意味のある影響力に強固に裏付けられた、明確な目標とビジョンを持つようにします。」と続けました。
「私たちは、水産物世界標準の構築を継続し、キャンペーンや、より価値の高いパートナー向け新サービスへの継続的な投資によって、ASC制度をさらに成長させる予定です。」
2023年年次報告書のハイライト:
- ASC認証を取得した養殖場の数は世界中で2,062に達し、58の魚種を網羅する204万トンもの責任をもって生産された水産物を提供しました。これは、2022年から8.6%の増加となります。
- 市場では、水産物好きが店頭でASCラベルの製品を見かける機会が増えました。 2023年には、ASCラベルの製品が6.4%増加し、116カ国(17%増)で入手できるようになりました。
- 社会的責任を推進する3,000件以上の改善、経済的持続可能性を推進する4,300件以上の改善が実現しました。
- ASCの改善制度を通じて、まだ認証を取得していない養殖場がガイダンスやサポートを受けられる3つの養殖改善プロジェクト(AIP)が129カ所で実施されました。
- 2023年1月にASC飼料基準が発足し、9つの飼料工場が認証を受け、さらに多くの工場が制度への参加を継続することにより、森林破壊、土地の修復、児童労働や強制労働などの悪影響が低減されました。
- 12の認定された独立認証機関(CAB)により、年間を通じて51カ国で養殖場のパフォーマンスに関する1,367件の審査が実施され、制度の完全性が実現しました。
- 14カ国の人々を対象に実施した、2023年の最大かつ最も包括的な消費者調査によると、ASCは最も認知度と信頼性の高い水産養殖ラベルであり、他の責任ある水産養殖制度ラベルに比べ著しく高いスコアを達成しました。
- ASC養殖場基準において最大規模の改訂に関するパブリック・コンサルテーションに300以上の利害関係者が参加し、主要な利害関係者の声と見解が記録されました。新しい養殖場基準では、すべてのASC魚種別基準がグローバルかつ統一の厳格な基準に統合されることになります。新養殖場基準は2024年に最終決定され、2025年に運用を開始する予定です。
ASCが透明性の精神を反映した年次報告書を作成して今年で3年目となります。すべての報告書は、ASCのウェブサイトでご覧いただけます。
2023年 年次報告書はこちらからお読みいただけます。