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水産物の持続可能性を加速させるために何をすべきか?2022年北大西洋水産物フォーラム(NASF)から発信された重要なポイント10個

7月 26, 2022

ノルウェーのベルゲンで開催された北大西洋水産物フォーラムNorth Atlantic Seafood Forum:NASF)の持続可能セミナーに、海洋管理協議会Marine Stewardship Council:MSC)、世界水産物連盟Global Seafood Alliance:GSA)と共に、ASCは、スポンサーとして2回目の参加をしました

昨年の新型コロナウイルスのパンデミックによる全面オンライン開催を経て、今年のセミナーは、登壇者と参加者が共に現地参加とオンライン参加を組み合わせることのできるハイブリッド形式の開催となりました。

今年の大きな主題は、水産物セクターの持続可能性をより加速させるために何をすべきか、でした。セミナーは、この目標を達成するための具体的な方法を考える2つのセッションで構成され、1つ目のセッションはデータのパワーについて、2つ目はオンラインにおける持続可能な水産物のマーケティングについて着目しました。

本セミナーで発信された10の重要なポイント

  • 私たちの持つデータの潜在価値を余すところなく掌握するため、データ共有経済を創出するために、産業・行政・科学にとって何がそれぞれの持つデータを交換するきっかけとなるかを、考える必要がある。(ハブオーシャン、エリザベート・ハウグスボ氏)
  • データの「最大の落とし穴」は、データのアウトプットはインプット以上のものにはならないということ、データに対する一般の人々の誤解の問題、データ分析における人間のバイアスの問題である。(WWF-UK、クララス・チュウ氏)
  • データ共有における協力が鍵。収集するデータの幅を考えると、認証・評価機関とテクノロジー企業間のデータ共有が、最も大きなポテンシャルを秘めているかもしれない。若い企業はデータ共有により積極的だ。(アクアスパーク、マイク・べリングス氏)
  • データ共有には関係性の構築、信頼、データをどんな目的でどのように利用するか明確にすることへの投資が求められる。覚書や秘密保持契約書はこのような関係を下支えするものとして有用である。(サステナブル・フィッシェリーズ・パートナーシップ、ポール・ブルコック氏)
  • データの標準化は非常に重要であり、法律がデータ需要に追いつく必要があるが、現状ではそれができていない。(ヤングズ、キャメロン・モファット氏)
  • 顧客に自社の製品購入の動機づけをするために、マーケティング担当は顧客の脳の「報酬」システムを活性化させる必要がある。より多くのブランドがぶつかり合い、顧客の目的が共有されるほど、より高度な活性が必要だ。(デコード、マーク・ヘミエール氏)
  • 中国では水産物の購入に関しては、ソーシャルメディアよりもeコマースプラットフォームの方が、顧客に与える影響力が強い。輸入水産物の購入にあたっては、半数以上の顧客がオンラインショップを利用している。(ノルウェー水産物審議会、アンドレアス・トルード氏)
  • 中国のeコマース最大手の一社JDにおいて、水産物は最も勢いよく成長しているカテゴリーの1つだ。中国の消費者はオンラインで購入する商品について、品質の良さと持続可能であるかを重要視している。(JD、フェン・ユ氏)
  • 製品がたどるそれぞれの工程において、ブランドと自社が伝えたいストーリーに立ち戻る必要がある。それがうまくいけば売り上げをあげることにつながるだろう。(カブロイ・アークティック、ジェニファー・ブシュマン氏)
  • NGOであろうが利益を追求するビジネスであろうが、すべての環境へ取り組みには透明性が求められる。透明性は、持続可能性のある製品により高い金を出す価値があるのは何故なのか、顧客が理解をする上で重要な手助けとなる。(フォローフード、ジュリアス・パーム氏)
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