ASC 2024年次報告書を発表:飼料から養殖現場まで-世界に広がる責任ある養殖の進展
12月 23, 2025
ASCはこのたび、「ASC 2024年次報告書」を発表しました。本レポートでは、飼料原料の調達から養殖場の運営、自然環境の保全、魚の健康と福祉、そして労働者の権利に至るまで、ASCの各プログラムを通じて世界各地で生まれている環境面・社会面での変化をまとめています。
2024年は、ASCの取り組みが世界規模で着実に広がった一年でした。ASC認証を取得する養殖場は年々増加し、各地で環境面・社会面の改善が積み重ねられています。また、ASCラベル付き製品の流通国や商品数も拡大し、より多くの消費者が責任ある養殖水産物を選択できる環境が整いつつあります。
とりわけ2024年は、「飼料」を重要なテーマとして位置づけた一年でもありました。ASC飼料基準の本格運用が進み、複数の国で飼料工場が新たに認証を取得。養殖場の外側にあたる飼料分野においても、責任ある取り組みがサプライチェーン全体へと広がっています。
さらに、現時点ではASC認証の取得に至っていないものの、改善に意欲的な養殖場を支援するAIP(養殖業改善プロジェクト)も継続的に展開され、現場レベルでの前向きな変化を後押ししています。
水産養殖が世界の水産物供給においてますます重要な役割を担う中、その成長をどのように責任ある形で実現していくかは、これまで以上に大きな課題となっています。2024年、ASCは養殖場認証の拡大に加え、飼料分野での節目となる成果、そして新たなASC養殖場基準の策定を通じて、この課題に正面から取り組んできました。これらの取り組みは、2025年以降のさらなる前進に向けた確かな土台となっています。
こうした進展は、以下の数字にも表れています。
2024年におけるASCプログラムの主なハイライト
- 52か国において2,265のASC認証養殖場(前年から約10%増)
- 環境面での改善3,981件、社会面での改善3,250件を実現
- ASC認証水産物の販売量は269万トン(2023年比32%増)、121か国で販売
- 消費者向けのASCラベル付き製品は28,426商品(2023年比12%増)
- 9か国で22の飼料工場がASC飼料基準の認証を取得、さらに24工場が審査中
(ASC基準のもと、7つの魚種グループに対し責任ある飼料を供給) - 認証取得準備段階にある、または認証対象外ながら改善に取り組む養殖場を支援する14の養殖改善プロジェクト(AIP)に、139のサイトが参加
- プログラム改善に向けた協議に、660件のステークホルダーからの意見が寄せられた
ASC最高技術責任者(CTO)のアリー・ディングウォールは、次のように述べています。
「2024年は、責任ある養殖において“飼料”を重要なテーマとして前面に押し出した、ASCにとって大きな転換点となる年でした。ASC飼料基準が本格的に運用される中で、飼料工場から小売業者に至るまで、バリューチェーン全体が変化に向けて動き出しています。その影響は、養殖場の枠を超えて広がっています。」
また、ASC認証を受けた養殖場では、生物多様性への配慮や気候変動への対応、魚の健康と福祉の向上、そして地域社会や働く人々の生活改善に向けた取り組みが、各地で着実に進んでいることも報告されています。
ASCは設立から15年を迎え、これまでで最も大きな制度的な一歩として、新たな「ASC養殖場基準」を発表しました。これは、従来の11の魚種別基準を一本化し、要求事項の強化と一貫性の確保、そして継続的な改善をより強力に推進するための枠組みです。
ASCは今後も、認証取得事業者への支援強化に加え、国際機関や専門家、小売業者、NGOとの連携を深めながら、責任ある養殖水産物への理解と需要の拡大に取り組んでいきます。
ASCの2024年の取り組みとその成果については、ぜひ「2024年次報告書」をご覧ください。ASCはこれからも、プログラムと認証を通じた変化の推進、そして協働によるイノベーションと需要創出を通じて、前向きな変化を後押ししていきます。